当協会が提唱する「筋膜・運動制御」へのアプローチ

当協会が提唱する「筋膜・運動制御」へのアプローチ:症状の根本原因を解き明かす鍵

なぜ、マッサージやストレッチ、あるいは様々なテクニックを試しても、痛みや凝り、可動域制限といった症状がすぐに戻ってしまうのでしょうか? その根本的な原因は、多くの場合、身体の表面的な部分ではなく、より深い階層にある「筋膜システム」と「運動制御システム」の相互作用の破綻に隠されています。

日本IASTM筋膜リリース協会では、この二つのシステムの密接な関係性を深く理解し、そこにアプローチすることこそが、多くの不定愁訴や筋筋膜性疼痛症候群といった問題に対する真の解決策であると考えています。本記事では、当協会の核となる理論と考え方について解説します。

問題の核心:「筋膜システム‐運動制御システム」の破綻が生む代償

私たちの身体は、骨や筋肉だけでなく、全身を三次元的に覆い、支え、情報を伝達する「筋膜システム」によって統合されています。この筋膜は感覚受容器が非常に豊富で、身体の位置や動き、張力といった情報を常に脳へ送っています。

一方、「運動制御システム」は、脳や神経系がこれらの感覚情報を受け取り、それを基に最適な動きを計画し、筋肉へ指令を出し、実行し、そして結果をフィードバックして動きを修正する、という一連のプロセスを担っています。

これら二つは**「筋膜システム‐運動制御システム」として、常に相互に影響を与え合いながら機能しています。しかし、過去の怪我、日々の不良姿勢、繰り返される動作、あるいは精神的なストレスなどによって、この連携システムの一部に機能低下やエラー(=破綻**)が生じると、身体は賢明にもその問題をカバーしようと、無意識のうちに**「代償」**的な動きや姿勢のパターンを作り出します。

この「代償」は一時的には役立ちますが、長期的には非効率な動きとなり、特定の筋肉や関節への過剰な負担を強いることになります。これこそが、慢性的な痛みや凝り、原因不明とされる不定愁訴、そして筋筋膜性疼痛症候群といった症状がなかなか改善せず、再発を繰り返す根本的なメカニズムなのです。

解決の糸口:感覚運動制御システムの「本質」を理解する

症状の根本原因にアプローチするためには、目に見える症状や、硬くなった筋肉だけを追うのではなく、その背景にある**「感覚運動制御システム」の「本質」**、すなわち、その機能とエラー発生のメカニズムを深く理解することが不可欠です。

  • どの部分の感覚入力(特に筋膜からの情報)がエラーを起こしているのか?
  • そのエラーがどのように不適切な運動出力(代償パターン)に繋がっているのか?
  • なぜその代償パターンが特定の症状を引き起こしているのか?

この「本質」を理解することで、初めて症状の真の原因が見え、闇雲なアプローチではなく、的確な改善方法への道筋が拓けるのです。

理論から実践へ:評価・施術・改善の重要性

しかし、この複雑なシステムの理論を「知っている」だけでは、クライアントの悩みを解決することはできません。プロフェッショナルとして最も重要なのは、理論を臨床現場で実践する能力です。当協会では、以下のプロセスを重視しています。

  1. 評価: クライアント一人ひとりの感覚運動制御システムに、**どのようなエラーが存在するのかを的確に「評価」**する。(当協会ではリソリューションテスト™等を用います)
  2. 施術: 評価に基づいて特定されたエラーに対し、IASTM-Feather™などを用いて組織へ効果的に介入し、神経系と組織構造の両面から変化を促す**「施術」**を行う。
  3. 改善: 施術によって得られた変化を、より良い動きとして再統合し、システム全体の機能を**「改善」**させ、根本的な解決へと導く。

この評価→施術→改善のサイクルを高い精度で実行できるスキルこそが、クライアントに真の結果を提供するために不可欠なのです。

学びを確実に:当協会の学習サポート体制

筋膜、神経科学、運動学、発生学など、様々な概念が統合されるため、このアプローチは最初は非常に複雑に感じられるかもしれません。しかし、ご安心ください。その「本質」を掴んでしまえば、臨床での考え方は驚くほどシンプルになります。

当協会では、受講生の皆様がこの重要な理論と実践スキルを確実に習得できるよう、万全の学習サポート体制を整えています。

  • 理論学習: 専門的な座学内容は、専用の動画教材で、いつでも、何度でも繰り返し復習可能です。自分のペースで、納得いくまで理解を深めることができます。
  • 実技習得: 実技はもちろん練習による「慣れ」も必要ですが、セミナー1日の中で、IASTM-Feather™の基本的な使い方とその「感覚」をしっかりと掴み、マスターできるように、少人数制で丁寧に指導します。具体的な手順や注意点も、全てオリジナル教科書に詳細に記載されており、セミナー後も安心して実践に臨めます。

表面的な症状に一喜一憂する対症療法から脱却し、「筋膜システム‐運動制御システム」という身体の根幹にアプローチする。これが、日本IASTM筋膜リリース協会が提唱し、実践する考え方の中核です。この深く、そして本質的な知識と技術を身につけ、クライアントの未来を変えることのできるセラピスト・指導者を、私たちは目指しています。

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